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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第10章 開く


「なんで、持ってこなかったの?」

リコが聞く。


「泳げないから、持ってないの。それに、あんまり出したくない…」

『何を』と言わずとも伝わったらしい。

「私には嫌味に聞こえるわ」なんて言ってる。


「コンプレックスなの。人より背が高くて、それだけでも目立つのに…」

リコは黙って聞いてくれていた。

「たぶん、年齢より上に見えるのかな?街とか歩いてるとね、『お姉さんいくら?』とか聞かれることもあった…。それって…つまり、そうゆう事でしょ?」

リコの顔が歪んだ。

「中学生相手にあり得ないでしょ?だから、本当に嫌なの。無駄に高い身長も、体つきも本当に嫌。華奢なリコが羨ましい。小さくてかわいい」

ほぼ、一方的な話しを終えると、

「結局、無い物ねだりよね。私は碧が羨ましかったりする…」

とリコが珍しく小さな声で言った。


「ただね、バスケ部の皆は他人のコンプレックスを抉ったりする様な人は居ないわよ!碧が気になるって言うなら仕方ない事かもしれないけど、もっと仲間を信用して欲しいわ!!」

「ご、ごめん…」

「まぁ、いろいろ話したい事もあるし、お昼は一緒に食べましょ。今は練習!!さぁ、行くわよ!」


リコに続いてプールサイドに向かう。
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