第7章 帰り道
数分も待たずに清志くんが来た。
眉間にシワが寄っている。
「同級生は?」
「ついさっき帰った」
「あっそ」
聞かれた事に答えれば、気の無い返事が返ってくる。
眉間のシワは消えない。
「わざわざ来てもらってごめんね。ありがとう」
そう言えば、さっきよりも少し表情が柔らかくなった清志くんと目が合う。
でも、「裕ちゃんは一緒じゃないんだね」と問いかけると
「はぁ…」 と盛大なため息をつかれた。
「お前は、裕也ばっかりだよな…」
呟きが聞こえる。
そんなつもりは無いんだけど…
「ほら!さっさと帰んぞ!」
ひったくるように荷物を取られ、歩きだした。
私もついていった。