第7章 帰り道
スーパーに着き、水戸部と私はそれぞれに買い物を済ませた。
「本当、ありがとうね。付き合わせてごめんね」
私がそう言うと、『気にしなくていい』といった表情で水戸部は首を横に振る。
きっと、さっきの電話が聞こえていたんだろう。
『じゃあね』といった感じで手をあげ、私に背を向けて歩きだした。
「ありがとう」
その背中にもう一度声をかけると、わざわざ振り向いて、『バイバイ』と手を振ってくれる。
私も、振りかえした。
「また、明日ね」
コクンと頷いて、水戸部がまた歩き出す。
背を向けたときに、ちょっと長めの髪が夜の風に揺れた。