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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第7章 帰り道


木吉と別れて、水戸部と二人でスーパーに向かう。

沈黙が…少し気まずい。

「水戸部も料理するの?」とか
「兄弟多いと賑やかだよね」とか
頑張って捻り出した当たり障りのない話しは済ませてしまった。

基本、『はい』か『いいえ』しか返って来ないのだ。
ましてや、私も話すことは苦手。
相手は昨日知り合ったばかりの男子。

会話が…続かない。


顔をあげると何か言いたげな水戸部と目が合う。

何かを話そうとしてくれている。
でも、何を話そうとしてくれているのかわからない…。

なんともならない自分にもどかしさを感じると、私のケータイが鳴った。



【着信 清志くん】


「お前‼何処にいるんだよ‼」

電話の向こうの怒鳴り声に思わず耳元からケータイを離した。


『大丈夫?』といった表情で水戸部がこちらを覗くので、『大丈夫』と頷いて、ケータイを耳元に戻す。

「あのね…」

私が話しはじめたのを遮るように、


「お前、何処に居んだよ‼こんな時間に出歩くとか、危ねーだろうが‼」

怒鳴る清志くんは、かなりご立腹の様子だ。


《部活の見学をしてきた事》
《今、帰宅途中な事》
《同級生とスーパーに向かっている事》

それらを清志くんに伝えると、
「そっちに行く。買い物して待っとけ!」と言って通話を切られた。
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