第7章 帰り道
「どうだった?やる気になったか?」
さっきから木吉の質問攻め。
『あれはどうだ』『これはこうだ』とバスケの良さを語っている。
「楽しいだろ、バスケ!なっ?なっ?」
話してる木吉は楽しそうだ。
「木吉はバスケ好きなんだね」
思わずそう返せば、「あたりまえだろ」とまた返ってくる。
「だから、自分の好きなものを、誰かが興味持ってくれて、好きになってくれると嬉しいし」
木吉の言葉は続く。
「その人と一緒にできればもっと嬉しい。そう思わないか?」
吸い込まれそうになるくらい真っすぐな目で私を見据える。
思わず固まった。
次の瞬間、木吉は表情を崩し、目線を私の後ろに移して「なぁ、水戸部ー」と問いかけていた。
反対を振り向けば、コクコクと頷いている。
私も「そうだね」と返事をした。