第1章 入学

私のお兄ちゃんは大学でバスケットをしている。ミニバスから続けてきたので、そこそこの選手らしく、大学も推薦？スカウト？で入った。

《バスケットをしているだけあって》と言うべきなのか、もしくは父からの遺伝なのか、お兄ちゃんは背が高い。


因みに私も女子にしては高くて170オーバー。

しかし、

インドア派なうえに、人見知りで地味な私。

勝手なイメージなのかもしれないけど、

『元気いっぱい』
『スポーツ得意』
『リーダーシップ』

なんていう、背が高い人向きの性格をしていないと思う。

もちろん運動は全然好きじゃない。


だから、私は背の高さがコンプレックスだ。

さっきみたいに、人の視線が気になる。


中学に入って、いわゆる成長期に突入し、無駄に発育した身体は私のコンプレックスを助長させた。

目立ちたくは無いのに、悪目立ちしてしまう。
からかわれる事も多かったし、嫌な思いもした。




この男子はお兄ちゃんより背が高い。
スポーツしてたのかな？
バレーかな？バスケかな？


そんな事を考えながら隣の男子を見ていると、視線を感じたのか彼がこちらを向く。

目が…

合ってしまった…。