• テキストサイズ

【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第66章 伝える


身体を離して、ノートに目を向けた。

《危機感の無さと、警戒心の弱さはどうにかしてほしい》

そう、書かれた言葉に「どうゆうこと?」と、首を傾げる。


ちょっとムッとした機嫌の悪そうな凛が、
『こうゆうこと』と言わんばかりに、私の肩を押した。


ゆっくり身体が倒れていく。

ストンと音をたてて背中が身を預けた先は私の部屋に敷かれているラグマットで、顔の横に凛の腕がある。


(えっ?)と、戸惑いで凛を見つめれば、顔つきが変わっていた。

目の前に居るのは誰だろう?

それがわからなくなる程、
男性を意識させるその表情に、
目が捕らえられて離れない。

吸い込まれそうだ…。




すっと指先で首筋が撫でられる。

くすぐったさに肩を小さく竦めれば、
身体にかかる体重が少し重さを増して…


少しずつ近づく凛の顔に、
いつも以上に想いを持つ凛の目に、

これから何が始まるのかを察した。



嫌なわけじゃない…。
凛ならいいと思ってる。

ううん。違う。
凛がいい。


でも…怖い。
やっぱり怖い。
心の準備も出来てない。


(ちょっと…待って。待って)


心の中で叫びながら、身を固くした。



頬に凛の髪が当たる。

首筋近くまで降りて来た顔にぎゅっと固く目を閉じると…


/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp