第66章 伝える
《碧、可愛い。この写真お似合い》
「二人とも幼稚園児だよ」
凛が持つペンから綴られる言葉にそう返した。
《今もお似合いだと思う》
その言葉に、身体が固まる。
《冷静になって考えたんだ》
目を伏せる凛の表情から、
別れようと、
もう、私の相手は疲れたと、
言われてしまう気がして、逃げるように下を向いた。
離れたくなんか無い。
こんな事を言う資格なんか全然無い癖に…
それでも、私は、凛の隣に…居たい。
バタンとアルバムを閉じる音がして、
カリカリとノートの上をペンが走る。
次に綴られる言葉が怖かった。
トントンと優しく机を叩く音で凛が私を呼ぶ。
「ふぅー」っと一つ息を吐いて顔をあげた。