第64章 持ち直す
「ディーフェンス‼ディーフェンス‼」
ベンチでは土田の声が響く。
一年生3人も顔を見合わせて、土田に合わせて声を出していた。
再び、ゾーンに入った火神。
加えて、黒子のパスでボールが回って得点は入る様になった。
それでも、開いた点差を埋めるには、やはり1on1を止めなきゃダメだ。
(コガ、伊月、木吉、頑張れ‼)
いつものように、心の中で祈るようにコートを見ていた。
見ていたけど…
ベンチの皆を見て、それは違う事に今さら気づいた。
(見てるだけじゃダメ。思ってるだけじゃ…ダメ)
「ディーフェンス‼ディーフェンス‼」
私も、皆と一緒に声を張り上げた。