第64章 持ち直す
黒子と火神の力で息を吹き返して来た誠凛。
洛山のタイムアウトで、皆がベンチに戻って来た。
「全員少しでも、エネルギー補給しておいて!あと、アイシングとマッサージも!」
指示を出すリコの横で、
「すまない…これからって時に俺は…」
と肩を落とす日向。
「思いつめ過ぎだ、ダァホ」
日向の口調を真似て木吉が言う。
仲間を信じろと、
4ファールなんてただのピンチだと、
必ず日向の3Pが必要になると、
肩を落とす日向に語りかけていた。
「頼むぜ、キャプテン」
その言葉に日向が前を向きはじめたのを感じた。
「んじゃ、まっ、楽しんでこーぜ!」
「あっ!コガにも言われた」
「言うとなんか元気出るねコレ!」
そんなやり取りをして、コートに出ていく皆に、ずっと強ばっていた頬が少し緩んだ。