第64章 持ち直す
「嫌だ…勝ちたい」
黒子の声が響く。
記録を付けているのも辛い位に、実力の差をまざまざと見せつけられ、スコアには大差がついた。
テクニカルファールで4つ目のファールとなってしまった日向もベンチに下がってしまって…
タイムアウトを取ったベンチ内は皆が意気消沈していた。
「僕は勝ちたい。無理でも、不可能でも、皆と日本一になりたい」
立ち上がって、そう話す黒子に、下を向いていた皆の顔が上がる。
顔つきが少しかわる。
「カントクお願いします」
と、意を決してコートに戻っていく黒子。
やはり、彼の背中は頼もしい。
(頑張れ。頑張れ)
黒子の、皆の背中を見送った。