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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第62章 絡まる


「凛…。あのさ…手…」

集合時間が同じなんだから、向かう道中でチームメイトに会うのは不思議じゃない。

目的地が近くなれば尚更…。

コガと日向と伊月。
私達の他にこの3人がいる。

いつもなら部員がいるときに手を繋いで歩くなんて事はない。

でも、今日は握られたままだ。

離そうとすると、『離しちゃダメ』と言わんばかりに絡まる指を握りしめる力が強くなって、グイっと腕を引かれた。


「水戸部ー。どったの?陽向困ってるよ」

見るにみかねたコガが問いかけると、
いつも通りに二人で会話をはじめた。


「俺にとっては水戸部が目の前でイチャイチャするとか今さらだけどさ」

そう、コガは笑う。

コガは今さらかも知れないけど…。
ただ、日向と伊月の視線が痛い。

出来ればこの手を離したい。


「まぁ、たまには水戸部が我が儘言ったっていいよな。パワー充電中らしいから許してやって」

コガが二人に通訳をすると、


「こっちが気が抜ける。つき合ってらんないな」
「二人でやってろ、ダァホ」

と、呆れた顔の伊月と日向の足が早まった。



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