第6章 見学
あっと言う間に練習は終わった。
「楽しかったな…」
一人呟いて校門へ向かう。
リコは『いつでも来てくれて構わないし、ゆっくり決めてくれればいいわよ』と言ってくれた。
お言葉に甘えるとしよう。
こんな暗くなるまで練習しててスゴイな
本当に全国目指してるんだな
なんて、考えながら校門を出ようとすると
「陽向、待て‼」
と叫び声が聞こえた。
「暗い中、女子が一人で帰ろうしてんじゃねぇよ、ダァホ‼」
眉間に皺を寄せて日向が怒る。
そうゆう顔は苦手だ。
つい、肩に力が入る。
「陽向、家どっち?」
伊月に聞かれて、だいたいの場所を答えた。
「それじゃ、木吉と同じ方向か?」
なんて、バスケ部の皆が話していたが、
「…でも」と口をはさんだ。
「スーパー行きたいの。冷蔵庫の中に、何にもなくて…買い物行かなきゃ」
『だから大丈夫』そう伝えたかったのに、トントンと肩を叩かれる。