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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第57章 傾く


試合時間が近づきフロアヘ向かった。

さっきのインターバル中の練習では全然気持ちが切り替わらなくて、「試合中はしっかりしてよ」とリコに小突かれた。


(甘えるな。もう、大丈夫)


気合いを入れ直してコートを覗けば、
20点近く差がついて押されている秀徳高校。

弾き飛ばされた後の様に床に手をついている木村さんと清志くんが見える。

思わず、片手で口を塞いだ。

(怪我…したりしてない、よね?)

私の肩をトントンと凛がたたいて、首を振って微笑む。

きっと、『大丈夫』と教えてくれたんだろう…。


様子を見る限り、弾き飛ばされた訳ではないらしい。


洛山の赤司くんを前にして、さっきの清志くん達と同じように緑間くんも床に手をついた。

何をされたのか私には分からないけど…。


相手の赤司くんは一年生。

動けなかった清志くんだって、

悔しいはず。
苦しいはず。

それでも、

「いつまで座ってんだよ。メガネ割るぞ」

と緑間くんと高尾くんを鼓舞している。


諦めてないその姿に目の奥が熱くなった。


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