• テキストサイズ

【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第55章 彷徨う


『嘘ってお前…。嘘じゃねぇし、嘘ついてどーすんだよ』


口に出ていたらしい…。


「だって…」


ずっと、呆れられていると思っていた。
うっとうしがられていると思っていた。

いつも、清志くんは眉間にシワを寄せていて…


『今日の事は悪かった。許せとは言わねぇ。でも、俺は…』


また、言葉が途切れる。



『碧。俺じゃダメかよ…』


答える事が出来ない。

私は、清志くんにそうゆう感情を持った事はない。

私は、凛が…。



「清志くん…。私達、従兄妹だよ…」

辛うじて口にした言葉も

『従兄妹同士だって、結婚できんだよ。何が悪い?』

という清志くんの言葉に否定された。

頭の中がグシャグシャになっていく。


『なぁ、碧。アイツより、俺の方がお前の事はよく分かる。ガキの頃から一緒に居たんだ。お前の事見てたんだ。負けるわけねぇ。知り合って2年も経たねぇだろ?ただの同級生だろ?いつ別れるか、わかんねぇアイツより…』


「やめてよ…」

畳み掛ける様に喋りだした清志くんの言葉を遮った。


『別れる』なんてそんな言葉、考えたくない。

凛と一緒に居られなくなるなんて…。

そんなの…嫌だ。


「そんな事言わないで…。酷いよ…」

そう言って電話を切った。



/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp