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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第51章 受ける


ゆさゆさと身体を揺すられて目を覚ました。

心配そうに眉を下げる凛が見える。


(やっぱ、リコの料理ダメだったんだ…)


『大丈夫?』

私の顔を覗き込む凛に
「大丈夫だよ」と答えて起き上がると、
腰元から誠凛のジャージがパサリと落ちた。

たぶん、凛が掛けてくれたんだろう。


「凛…。これ、ありがとう…」

首を振りながらニコリと微笑む凛に私の頬も緩む。

差し出すジャージを受け取ったかと思えば、そのまま肩に掛けられた。

「でも…」

フルフルと首を振っている。

『冷えたでしょ?着てて』

凛の表情はそんな感じだ。


「いいの?」

コクンと頷いた。

「ありがとう」


真冬のこの時期に、直接、床に寝転んでいたから身体が冷めたい。

でも…
それは、凛だって変わらないハズだけど…

凛の優しさに甘えて、肩にかけられたジャージに袖を通した。

(凛の、やっぱり大きいな)

少しだけ余った袖を眺めていると、頭を撫でられる。

あったかい、凛の手。



自分がどこにいるのかも忘れて、ほんわかした気分に浸っていると、

「陽向ー。大丈夫だった?片付けはじめない?」


耳に届いたコガの言葉で現実に戻された。


「死ぬかと思った」なんて呟きながら、目覚めた人から身体が無事なのを確認して片付けをはじめた。


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