第49章 休める
「久しぶりだな。テツ…」
青峰くんがそう言うと、
「青峰くん」と黒子が起き上がる。
「ちょっと…大丈夫?」
横になっている様に促そうとしたが「大丈夫です」と止められた。
「陽向さん。僕、もう大丈夫なんで外して貰えませんか?」
黒子がこちらを見る。
いつになく、真剣な表情だ。
「でも…」
チラリと青峰くんを見た。
興味無さげに明後日の方向を見ている。
「お願いします」
「だけど…」
「陽向さん。お願いします」
「うん…。わかったよ。無理しないようにね」
二人にしていいのかどうか、迷う所なんだけども、
『外して欲しい』という黒子の意思には勝てなくて…
立ち上がり、青峰くんに頭を下げてその場を離れた。
(大丈夫…かな?)
少し不安を残したまま、女湯の暖簾をくぐった。