第5章 勧誘

｢だからね｣と続けた。

「もっと適任の子居ると思うんだよね。私じゃなくても良いと思う。というか、私じゃないほうがいいんじゃないかなぁ。きっと迷惑かける」


うつ向きながらそう話し顔をあげると、少し怒ったような水戸部の顔が見えた。


「陽向って自己評価低いのな」

コガが言う。

私の事、何も知らないのに…。
思うだけで口には出せず、またうつ向く。



「陽向がさっき言ったみたいに、よっぽどダメな子なら、木吉は陽向の事を誘わないと思うんだよねー」

結構、刺さる事を言われて、落ち込む。
私って、やっぱりダメな子だったんだ…。


「ねぇ、どうしても嫌ってわけじゃないならさー、１回、見学来てみなよ！」


そう言われてすぐ、水戸部がコガの肩をトントンと叩いた。


「あっ！時間？ そろそろ戻んなきゃな！じゃぁ、またな。陽向」


二人が立ち去った後で、私も教室に向かった。