第5章 勧誘
「あっ!昨日の。えっと…陽向!」
聞き覚えのある声がして顔をあげる。
「あっ…。えっと…。こ、こ、小金井くんと水戸部くんで合ってるっけ?」
どもりながら、確認すると
「小金井って長いからコガでいいよ!水戸部も別に『くん』要らないって言ってる」
また、どもってしまった…。
恥ずかしくて、顔が熱い。
ん??言ってる?
水戸部くん、今喋ったっけ??
きっと、私には聞こえなかったんだろうと自己解決して、
「うん。わかった」と答えた。
ニコリと穏やかな表情で水戸部くんが笑う。
正直、自分一人に男子が二人というこの状況は苦手なはずなのに、私の人見知りセンサーは解除されつつある。
二人の事をよく知っているわけじゃないし、
昨日会ったばかりなのに、なんだか不思議…。
この人達は大丈夫そうだ。