• テキストサイズ

【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第43章 変わる


凛と部室にいる。
自習とはいえ、授業をサボるのなんてはじめてだ。




「大丈夫かなぁ?」

部室の隅で丸まっている二号を撫でながら呟くと、「わふぅ…」とため息をつく、小さな部員。

呆れ顔も、いつも黒子が見せる顔にそっくり。



「凛?まだ、怒ってるの?」

そっぽを向いたまま、凛の反応はない。

「私、もう気にしてないよ。言いたいことは言えたし。まぁ、ああやって言われちゃうのはよくある事でもあるし…」


まだ、無い…。


「凛がそんなに怒ること無いよ」

そう言うと、怒りの目をこちらに向けた。

ポケットに手を入れてケータイを取り出す。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐
碧が嫌な思いしたのに、怒らないはずない
‐‐‐‐‐‐‐‐‐


差し出された文面に笑みが零れる。

彼等に私の言葉が伝わったかどうかはわからないけど、凛がそう言ってくれるだけで充分だ。


「ありがとう」


凛の顔が少し緩んだ。
伸びてくる手のひらが、優しく頭を撫でてくれる。

『頑張ったね』

そう言われている気がした。



「凛。教室戻る?このままここにいる?」


問いかけると、ぐいと腕を引かれて、私の体は凛の胸の中へ収まる。

ぎゅーっと抱き締められた。


「わかった」


『ここにいる』

そう言いたげに腕にこもる力。
それに答えるように、私も腕を回して、凛のシャツをぎゅっと握った。






それからは…

散らかっている部室を少し片付けて、

二号とあそんだり、
並んで月バスを見たり、

お互いに授業中だって事を忘れて、穏やかに過ごした。
/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp