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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第43章 変わる


「バカップル、授業サボってんじゃねーよ‼ダァホ‼」

日向の声とバシンと言う音で目がさめた。
どうやら寝てしまったらしい…。

さっき、馴れない事をして気を張ったから思ったより疲れたみたいだ。


凛の側だと安心出来て、あったかくて、
私の髪を触る凛の手が心地よくて…
つい、眠気に負けてしまう。






サラサラと髪がこぼれる感覚があって、ぼーっとする頭で隣をみれば頭を抱えている凛の姿。

バシンという音は凛が日向に叩かれた音らしい…。

「大丈夫?」


頭を抱えている凛の顔を覗き込む。

すると、あからさまに顔をそらして、彼は部室から出て行ってしまった。

…私、何かしちゃったのかな?


複雑な胸中を他所に、

「はい、これー。高橋がまとめてくれた」

とコガに鞄を手渡された。


「ごめん。ありがとう」


「ねーねー、陽向。何してたの?」


興味深々な顔でコガが聞く。
皆もニヤニヤしながらこちらを見る。


「何?って、ちょっと片付けたり…。ほら、綺麗になったでしょ?」

コクリと皆が頷いた。


「あとは、二号と遊んだり、月バス見たり…」

「それで、水戸部にもたれて寝ちゃったの?」

「そうみたい…。凛、どうしたの?」

「限界だって」

「限界?何が?もたれちゃったから重かったかな?」

そう言ってコガを見るとぽかんと口が開いていた。


「なんか…。水戸部がちょっと気の毒だな」

ぼそりと土田が呟いた。



なんだかよくわからないけれど、それより…。




「あの…さ、雑誌?とか持って帰ったほうがいいよ。リコに見つかっても知らないよ?」


と、誰のかはわからないので皆に向かって話した。

なんの雑誌とは言わなくても通じた様だ。
おのおのがサワサワと焦りだす。


「二号、遊んでくれてありがとう」



焦り出した皆はそのまま放っておく事にして、
相手をしてくれた可愛い部員の頭を一撫でしてから、準備の為に部室を出た。



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