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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第38章 行き交う 【side宮地】


うだる暑さの中の休憩時間。

木村ん家から差し入れされたスイカは5割増でうまい。

生き返る。



目の前のスイカをかじりながら、
ふと、思い出すのは、
昨日、風呂場で木村に言われた言葉。


『宮地なら選び放題だろうに、なんでわざわざソコ(従妹)に行くんだよ』


…ったく。
うるせーな。放っとけよ。





合同練習中、

【碧が俺に向ける顔と、水戸部に向ける顔は違う】


それを嫌という程、実感した。


いつの間にか長く伸びたアイツの髪。
耳の上についてる白い玉のヘアピンは水戸部にもらったものだろう…。

たまに大事そうに触れては、水戸部を目で追っている。


ガキの頃はショートの髪を揺らしながら『清志くん』『清志くん』と、鬱陶しいくらいに後を付いてきた碧。

それに似合うと思って、小学生の修学旅行の土産に渡したのは、細工のしてあるガラス玉のついたヘアピンだった。

小遣いの殆どをはたいた記憶がある。

そういえば、そのせいで裕也のを無しにして、すげぇ喧嘩したな。

でも、碧は喜んでた。

さすがに裕也の前じゃ、自分だけもらった罪悪感からか、オロオロしてたけどな。

後でこっそり、『ありがとう』と言いに来た。


『スゴくきれい。大事にする。』なんて笑ってたくせに…。

『見て。見て。似合う?』なんて、しつこいくらいに聞いてきた癖に…。


もう、着けてねぇじゃねーか。

クソッ‼

いつからだ?

いつから、アイツは俺の顔色を伺うようになった?


なんでだ?

裕也は、それを俺のせいだと言う。

それが、また、俺を苛つかせる。

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