第37章 行き交う
「んで、何してんの?」
高尾くんが再び訪ねる。
「あっ。え、えっと…、練習…メニューの、か、か、確認に…」
さっき、何度も呟いて練習したのは無意味だった…。
「そんなに緊張しなくっても、大丈夫だって!ホラ、おいで。おいで」
目の前の彼等は一方は無表情で、一方はケタケタと笑いながら私を招き、「監督ー。大坪さーん。メニューの確認だそうでーす」とご丁寧に説明までしてくれた。
「ありがとうございます」
親切にしてくれた高尾くんと緑間くんにお礼を言って、「お願いします」と、秀徳の監督さんとキャプテンさんにリコからのメモを手渡す。
無事にOKをもらって、さぁ帰ろうと言うとき、「待った」と誰かに腕を捕まれた。