第33章 補う
「古文、火神くんに教えてくれない?」
「は?私が?」
「黒子くんじゃ限界なのよ…」
リコが言う。
でも…
「む、無理だと思う…。現代語もまともに使えないのに古文とか無理だと思う…。私、教える自信無い…」
「なんすかそれー」
私の失礼を承知で発した言葉に、案の定、火神が食ってかかるので、近くにいたコガの後ろに隠れた。
あんまり隠れてないけど…。
コガの後ろに隠れた私を見て、火神はバツの悪そうに頬を掻く。
「うん。陽向にしてははっきり断ったな」
なんて、顎に手を当てて土田が関心している。
だって無理じゃん
それでも「お願いよ」と頭を下げるリコに断りきれず、ふてくされる火神の隣に座った。