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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第3章 出逢い 【side 水戸部】


「陽向。マネジャーやらないか?」

木吉の言葉に飛び付いたのは小金井だ。

「いいねー‼やってよ!やってよ!」
と彼女の手をとり、「よろしくー」と上下に振る。

握手のつもりだと思うけど、彼女は戸惑っているのが分かった。

『やめたほうが…』

そう、手を伸ばす前に日向が止めた。


その後も伊月や小金井に色々と聞かれていて、すごく困っている様子。
あまり、おしゃべりな子ではないらしい…。

少し怯えている様な表情。

それに気がつかずグイグイと行く小金井を止めるタイミングに悩んでいると、お兄さんが彼女の身体を引き寄せた。


お兄さん曰く、

陽向さんは、
囲まれるのは苦手らしい。
運動も苦手らしい。


「とりあえず」とカントクが言い出して、それぞれに自己紹介をする。

俺の分はいつもの様に小金井がしてくれた。
こちらが頭を下げれば、彼女も同じ様に頭を下げる。

俺が喋らない事は、特別気にしてない様子だった。

『気にする程、親しくなるつもりは無い』という意味なのかもしれないけど…。

どちらにしろ、なんで?どうして?と責め立てられるよりはこの方がうれしい。



木吉と土田と同じクラスだと陽向さんは言った。

「よ、よ、よろしく…お願いします…」

どもりながらも、
語尾が小さくなりながらも、
それぞれにきちんと頭を下げる陽向さん。

真面目なんだろうな。

つい、表情が緩む。



「なぁ、陽向ー」

と、もう一度マネジャーの話しをする木吉に、

「考えさせて欲しい」と彼女は言った。


そのまま、皆で、お兄さんのバイクに跨がる彼女を見送る。
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