第3章 出逢い 【side 水戸部】
「なーんか、大人しそうな子だねー」
小金井が言えば、
「教室でもあんな感じだぞー」
と、木吉が答える。
「隣の席なんだけどな、動きが小動物みたいなんだよなー。面白いぞ」
木吉の言葉に土田がウンウンと頷いている。
「小動物にしてはデカイだろ?俺やコガと大して変わらなかったぞ」
「確かに、女子にしてはデカイな」
伊月や日向の言葉に木吉は顔をしかめた。
「言ってやるなよ。背が高い事、気にしてるんだ。気にする事無いんだけどな…。だってな、中身はすっごくいい子だぞ!よく周りを見てるし、気がつく。陽向、マネージャー向いてると思うんだ!」
いい顔で笑う木吉に、皆の目が点になった。
あぁ、これは…きっと、
いつかの、日向の二の舞いだ。
ここに居る皆がそう思ったはず。