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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第27章 知る


「あの…」

私には姿の見えない黒子の声だけ聞こえて、また身体が跳ねて、凛にあやすようにトントントンと背中を叩かれた。

私は黒子を見つけるのが下手くそだ。
校内ですれ違っても気づく自信が全然無い。

部活中でも、見失うし、忘れるし、今みたいに突然現れて驚く。

失礼な事をしているのは充分わかってはいるけれど、こればかりはどうしようもない。


そんな、私の反応なんてお構い無しに黒子は問いかけた。


「お二人はおつきあいされてるのでしょうか?」


丁寧な言葉だが、結構ストレートに物を言う黒子。

コクンと凛が頷いた。

私と凛を見比べ「背の高いカップルですね」と謎の感想を残して、彼は立ち去る。

私には嫌味にしか聞こえない…。


「それ、失礼じゃ…」と降旗の声が聞こえて、他の一年生も後に続いた。


凛に『行こう』と促されるが、「部室の物品の整理をする」と伝えて、その場で別れ、部室のドアノブを握った。
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