第26章 増える
数人の入部希望者が来てくれた。
印象的だったのは二人。
1人は赤い髪の火神大我。
もう1人は、水色の髪の黒子テツヤ。
火神の方は、それはもうなかなかな態度で、日向の眉間にシワが寄っていた。
いつかキレるだろう…多分。
黒子の方は、居ることにすら気がつかなくて、『僕です』と出てきたときには、リコと一緒に悲鳴をあげた。
見えてはいけないものかと思った。
本気で…。
失礼な態度をしたことに「すみません」と謝ると、「慣れてますから」と言い淡々とリコの指示に従う彼は、なんだか不思議だった。
後ろで、『帝光中』とか『キセキの世代』とか聞こえて来て、ハテナを浮かべ振り向くと、「月バス読んどけ、ダァホ」と日向に怒られた。
勉強不足ですみません…
何人残るかな?
そんな事を考えながら、伊月が貸してくれた月バスを片手に今日は1人で帰宅した。