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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第25章 結わえる


「あっ、陽向さん。可愛い」
「え?水戸部くんがやったの?すごーい」


近くにいた女子が口にしたことで、わらわらと人が集まってくる。

心地よさで忘れてた。

ここ教室じゃん。恥ずかしい…


凛に助けを求めると顔を赤くしてオロオロしている。

こんな時はどうしたら良いのか分からない…。

今日クラスメートになった『ハジメマシテ』の人達に囲まれて、恥ずかしさや戸惑いに耐えきれず下を向いた。



「もー。水戸部ー。教室でするから、陽向囲まれちゃったじゃん」とコガの声が聞こえる。

バスケ部の皆は、私が囲まれたり、人前に出たりするのは苦手なのを知っているから。


目の前に立つ女子が「鏡無いの?貸したげる」と、私の前に鏡を出した。

下ろしていると肩を隠す長さの髪が、綺麗に編み込まれている。

嬉しくなって凛を見れば「私もやってー」なんて言われていて、それに対してフルフルと首を振って、眉を下げて断っている凛の姿に、『私だけ』というちょっとした特別を感じて、また、嬉しさがこみ上げてきた。



周りを囲まれる中、

「陽向ー。『妹にせがまれるからたまに練習させて』って水戸部が」


そうコガが教えてくれる。

コガの隣には、『おねがい』と言わんばかりに両手を合わせる凛が見える。


「二人ってやっぱ付き合ってるの?一緒に居るの見たことあるよ」「いいなー。仲良しー」なんて声をあげられて、嬉しさと、恥ずかしさが倍増していく。

初日にして、私達の仲はクラス全員に知りわたってしまった。

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