第19章 謀られる【side 水戸部】
陽向が言うには、
当番の時間がバラバラで(彼女は部活の方もあるとか…)土田と彼女は一緒に見て回る時間が無くなった事。
だから、土田の分の当番を陽向が代わったらしく、土田の代わりなんだから、力仕事をしているという事。
「彼女と代わればよかったじゃん」
小金井が言えば、
「彼女と私は同じ時間だったから代われなかったの」と。
この子は本当に…。
自分の事は後回し。
ちょっと呆れた。
「えー。じゃぁ、つっちー、陽向に仕事押し付けて彼女と居るのかよー」
ブー垂れながら小金井が言う。
「そうじゃないの。そうゆう事言わないで‼」
小金井の言葉に、陽向が珍しく怒った。
「断ってたんだよ。だけど、強引に私が代わったの。土田さ、他のクラスメートよりも長く当番引き受けちゃってさ。それで一緒に回れなくなっちゃったみたいで…。彼女がね、文化祭楽しみにしてたの知ってたから、見てられなくて…」
と彼女は言う。
「だから、サボったみたいに言わないで。友達の為に私が勝手にしたことだから。二人で過ごして欲しかったの。ねっ?」
問いかけるように、小金井の顔を覗きこんで笑った。
本当、優しい子。