• テキストサイズ

【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第19章 謀られる【side 水戸部】



「ねー。アレ」

と隣に並ぶ小金井が少し先を指差す。


今日は文化祭。
いつものように二人で並んで校内を見て回っていると、段ボール箱を運んでいる陽向を見つけた。


あの教室の一件から、陽向は腰にカーディガンを巻いている。

きっと、スカートの丈や、後ろや階段下から見られる事を気にしてるんだと思う…。



『気にしなくていい』『陽向は悪くない』と皆が言ったけど…

それに対して

『うん、わかってる。大丈夫』と陽向は笑っていたけど…

やっぱり、ひどく傷ついたんだと思う。


それより、今…。

その荷物すごく重そう。
女子が持つやつじゃない。


手を貸そうかと足を踏み出したけど、
次の一歩を躊躇った。



最近、陽向に避けられてる。

気のせいなんかじゃない。

俺、陽向になんかしたのかな?


考えていると、「陽向ー‼大丈夫?」と小金井が駆け寄っていた。

俺も後に続く。


「コガ。み、水戸部…」


やっぱり気まずそうに顔を逸らされた。


「なんでそんなの持ってんの?」と小金井が聞く。

「よいしょ」と段ボールを一度おろして
、「土田の代わり」と陽向は答えた。



えっと…。

わからない…。

少なくとも土田は女子にこんな重そうなものを持たせる奴じゃない。

同じ様な事を小金井も思ったみたいで、「どうゆうこと?」と陽向に聞いていた。

/ 402ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp