第17章 気がつく
上半身だけ振り向くと、扉の所にコガと水戸部が居る。
少し顔が赤い。
「あのさ…言いにくいんだけど、たぶん下から見えてる…」
コガがスカートを指さした。
意味に気づいて、スカートの後ろをバッと押さえる。
下にいた男子から「ちぇっ」と言う舌打ちが聞こえて、
「言うなよなー」と、ヘラヘラと笑いながらコガと水戸部に話しかけた。
最低…
本当は抗議したいのに、言葉が出ない。
「とりあえず降りなよ」
二人が教室に入ってくる。
「うん…」
スクリーンを教卓に置き、男子の居る方とは反対側におりた。
変わりに水戸部が教卓に乗り、取り付けてくれる。
降りた水戸部に「ありがとう」と言うと、ひどく怖い顔でペアの男子を睨みつけていた。