第17章 気がつく
彼女に聞いてみたけど私にはわからない。
元々社交的なタイプではないし、周りの異性と言えば、お兄ちゃんや従兄弟達。
それに…。
ふと頭に浮かんだ電車の事や今までに私をからかった男子の顔。
でも…
今は違うってわかる。
男の人が皆、嫌な事をする訳ではない…。
助けてくれた人だっている。
バスケ部の皆だって、いい人ばっかりだもん。
そんなことを考えながらぼーっとしていると午前中の授業が終わっていた。
お昼休みになって、彼女の近くに行けば「今日はさとしくんと…」と遠慮がちに隣を見た。
照れた様に頬をかいている土田がいる。
「一緒にどうだ?」なんて土田に言われたけど、私はただのお邪魔虫なのでお断りして、仲良く二人で教室を出る後ろ姿を見送る。
この二人も本当にお似合い
そんな事を思いながら自席に戻ろうとすると「日直居るかー?」と担任が顔を覗かせた。