第17章 気がつく
夏休み中の練習後、
「ちょっと話ししない?」とリコに言われて、お家にお邪魔した。
「あのね…」
リコが話しはじめる。
「私、鉄平と付き合ってるの」
口に含んでいた、ジュースを吹き出しそうになる。
『おめでとう』と言おうとしたのだが、複雑な表情のリコに遮られた。
「聞きたいことがあるの…碧は鉄平のこと好き?」
「えっ?私?」
「うん」
「そう…見える?」
「…うん」
普段、カントクとして皆に指示を出す姿とは違う。
うつ向くリコがとても可愛かった。
「ご、誤解だよ。友人としてはいい人だと思うけど、そうゆう感情はない…よ」
リコが顔をあげた。
「私、好きとかそうゆうのよくわからなくて…。それよりも、リコ。おめでとう‼お似合いだと思うよ」
「ありがとう」と笑うリコは本当に可愛い。
私も、いつかこんな顔が出来るんだろうか…。