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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第2章 出逢い


「こんばんは。なにしてるの?」

女の子が声をかけてくる。


「兄を…待っています」


「陽向のお兄さん、ここにいるのか?」

なんだか嬉しそうに、ジムを指さして聞いてきたのは木吉だ。


コクンと頷くのとほぼ同時で、中からわらわらと背の高い人達が出てきた。

「陽向ー!!妹ちゃん、外にいるぞー!!」と誰かが兄に伝えていて、


「碧 ー‼」

私を呼ぶ声の方を向けばお兄ちゃんが手を振っている。


「中で待ってろって言ったろー??」と言いながら走ってくるお兄ちゃん。

だけど、視線はすぐに逸れた。


「航(わたる)さん、こんばんは」

近づいてくる兄に声を掛けたのは目の前に居た女の子。


「おー!リコちゃん。こんばんは」

二人のやり取りに驚いた。

知り合い…なの?


「そうか。リコちゃん、碧と同じ学校だったな。忘れてた。コイツ人見知り激しいからよろしく‼」

グリグリと私の頭をお兄ちゃんが撫でる。


「お兄さんって、航さんだったんですね」

「そうそう。似てるっしょ?」

「そうですね」と彼女は頷いた。

「で、この子達がリコちゃんのチームか。監督、頑張ってな!!」

やりとりに着いて行けない私を余所に、リコチャンと呼ばれた女の子とお兄ちゃんは話しを続けている。

どうやら、このジムはリコちゃんのお父様が経営しているらしい。


もう、完全に置いていかれている私は二人から目線を外した。


何か考え事をしている木吉が居る。

あっ、目が合った。


満面の笑みを浮かべ木吉が口を開く。

なんか、嫌な予感…



「なぁ、陽向。マネージャーやらないか?」


木吉の言葉に、また驚いた。
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