第2章 新たなる出会い
透き通るような声。一瞬の沈黙、そして、嵐の大きさ。広間に猛烈な風が吹いた。その大きさに紫苑と名乗った少女思わず耳をふさぐ。
「嘘じゃありません。現にこの中に私たちのことを知っている方もいると思います。」
紫苑の問いかけに数人の者が軽く頷く。しかし、しっかりと首を縦に振るものはいず、みないぶかしげに首を振った。
「聖獣組だぁ?知らねぇな!そんな組。」
激しく同意の念を示す者たちに、紫苑は困ったように目じりを下げた。
「ここからは儂が話をしよう。」
総大将の口が開き、騒ぎが収まる。
「彼女…紫苑が言ったことは本当じゃ。昔はここに住んでおった。昔はな…」