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華のように 鬼のように ~ぬら孫夢小説~

第2章 新たなる出会い


いきなり名前を呼ばれ凍てつくように少女を凝視するリクオ。そんなこと気にもしないかのように少女は微笑んでいる。




初対面のはずなのに…




いきなり知らない人から名前を呼ばれるほど混乱することはない。いや、むしろ恐ろしい。自分の名前が誰かに知れ渡っている。見ず知らずの人に自分の情報を与えてしまっている…
渦の中にぐるぐると巻きこまれるような感覚に陥る。









「まずは、おかえりなさい。じゃな。長旅で疲れたじゃろう。ゆっくり休め。ここは何も変わっておらんから、気兼ねなく過ごせるじゃろう。」
優しく少女に声をかける総大将を遮る声が幹部たちから湧き上がる。
「総大将!…こいつは何者です?!初対面でその態度!しかもリクオ様をご存じでいらっしゃるのに人間ではない!!」
やや興奮気味に早口でまくしたてる。
「おぉ!そういえば紹介がまだじゃったな。」
忘れていたと手を打ち、ニヤける総大将。しかし、周りの落ち着きは戻ってこない。そんな声を背に受けながら少女は少しうつむき、悲しそうにため息をついた。
「じいちゃ…あぁ、また間違えた。」
「無理に総大将と呼ばんでもいい。儂はそうじゃないほうがすきじゃ。」
「…じゃぁ、じいちゃん。差し支えなければ、私から行った方がいいと思う。」
「…そうじゃな。」
総大将はしばらく悩んでいたが、少女のまっすぐな瞳を見ると軽くうなずいた。
さわやかな花の香りが運ばれてくる。少女は少し体を後ろに向けると軽く頭を下げた。





















































「私、聖獣組三代目総大将。奴良組四代目。ここにいる総大将の孫。正真正銘リクオの従妹、霧椿紫苑でございます。以後、お見知りおきを。」
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