第4章 3 玉章と七つの影
「何…あの二人。」
「ですが、なかなか頼りになりそうですな。」
「うん、なにせ、牛鬼が一番信頼している二人だからね。」
「神楽からはなにも来ないし。万が一本家に何かあったとしても、あいつ等がいるから気に病むことはないわ。私たちをなめてかからないでよ。」
リクオのそろそろ戻った方がいい、という意見にそれぞれ持ち場へ戻り紫苑と聖夜、リクオと氷麗は階段を上り廊下を教室へと向かう。
「……とは言ったけど、ほんとにじいちゃんどこで何してるんだろう?みんなに心配かけて。」
「きっといつものお散歩ですよ。どっかでおいしいものでもごちそうになって帰ってきます。」
「だといいけど。」
「じいちゃんが負けるなんて考えたことないわ。」
「ただいま。」
ガラガラとリクオがドアを開けると皆一斉にこちらを振り向いた。清継はお得意の指さしポーズでリクオ達を追い詰めると細かく問いただした。
「あ、君達。何してたんだ?急に飛び出して」
「え?あははは…ちょっと…」
上手く誤魔化そうとしているリクオ。カナは遠くからそんなリクオを眺め、となりにいる氷麗を見た。
「(あの二人…また。紫苑ちゃんと聖夜君も…)」