第4章 3 玉章と七つの影
なかなか答えないリクオ。紫苑に助け船を求めるも、紫苑も言い訳を考えているようだ。
すると、氷麗がナイス言い訳を思いついた。
「お?私たちの共通のお友達を見かけたもので…ちょっとお話してたんですよねー、ねぇ?ぬらくーん。」
カナの視線に気づいたのだろう。これ見よがしにカナを見ると、奴良くーんという言葉と共にリクオの方腕に抱きついた。
聖夜は島の視線に気づいたのか、氷麗と同じようにこれ見よがしにねめつける。
「ほら、俺らって幼いころからの付き合いだし?ね、紫苑さん。」
そして紫苑の首に片腕を回し引き寄せる。
「え?あぁ…うん、まぁ。」
「そ、そうだ…ね。」
突然の二人の行動にぎくしゃくと合わせながら、二人は同時にあははと頭をかいた。
氷麗と聖夜は離れる気配を見せず、勝ち誇ったように睨みつけている。すると、同時にカナと島から炎が燃え上がるのが見えた。
「か、カナちゃん?!」
「おほほほほほ、おほほほほ…」
氷麗は勝負ありと笑いに笑い、リクオは二人に挟まれておどおど状態。
「し、島君?」
「はははは、はははは。」
紫苑もリクオと同じ状態でリクオに助けて、とアイコンタクトを送ったが、互いに困った顔を見合わせるだけだった。