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華のように 鬼のように ~ぬら孫夢小説~

第4章 3 玉章と七つの影



「今、かすかに妖気がしたんやけど………気のせいやったみたい。」


リクオに睨まれて、黙って首を振る紫苑。

しかし、紫苑は悪戯にほんの少しだけ妖気を流していた。絶対にどんな妖怪も陰陽師も気づかないほどの妖気に気付くとは、なかなかの使い手だと、紫苑は思った。



「あ、いたいた。」

聞きなれた声がして声の方を見ると氷麗が駆け寄ってきた。後ろには茶髪の少年が付き添うように立っている。

氷麗は清継の前に茶髪の少年をつきだすと、笑顔で言った。




「入団希望者です!」

「聖夜です。」

「キミも転入生か?いやぁ~、メンバーが増えて僕は嬉しいよ。」

「へぇ~、かっこいいじゃん。」



沙織と夏美が聖夜をはさみ、観察する。聖夜はちょっと顔を赤らめて視線をうろうろさせた。迷わせる視線の先に紫苑とリクオの姿をとらえるとぱっと顔が代わり姿勢をただした。



「姫さ…ぐへっ。」


聖夜の腹に氷麗の肘がクリーンヒットし、聖夜はうずくまった。


「あらぁ~、ごめんなさい。聖夜く~ん。」

若干棒読みなのは気のせいだろうか。聖夜は涙目で無言の訴えをするが氷麗はどこ吹く風。髪の毛を払いのけるとリクオと紫苑の前に立った。


「きちんと言っておいたんですけど…」

「聖夜の事頼んだ。」

紫苑がびしっと言うと、氷麗は元気な声ではい!っと返事をした。

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