第4章 3 玉章と七つの影
リクオが思った通り、皆二人を凝視している。先陣を切って清継が素っ頓狂な声を出した。
「奴良君!君と彼女とは知り合いなのかね?!」
「あ…いや、えっと…」
声にならない声を出して慌てるリクオに、紫苑は何事もないようにさらっと答える。
「知り合いも何も、私達従妹やもん。」
時が止まったように思えた。皆、紫苑とリクオを見たまま止まっている。
次の瞬間
「「「「「え、えぇ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!」」」」」
爆弾が落ちたような表情。紫苑はリクオの方を向くと眉をひそめた。
「言ってへんの?…なら、仕方ないか。」
頷くリクオ。それもそうだ、リクオだって紫苑が来ることなど知らなかったのだから。
「容姿端麗、明眸皓歯、珍魚落雁、閉月羞花な紫苑君が奴良君の従妹だとは…キミもなかなかやるなぁ。」
「そんなこと言わんといてや。照れるやないの。」
紫苑が笑いながら言い、食べよと催促すると皆それぞれ昼食を取り始めた。