第3章 神の率いる百鬼夜行
「菫さんはあの人が自慢に思うのも分かる気がするほど、とっても美人さんだったのよ。
紫苑ちゃんは菫さんにそっくりだわ。あの人はとっても妹思いだった。私が菫さんにやきもちを何回焼いたことか。
…いつも二人一緒で、はたから見たら二人の間に入る隙間なんてなかったけど、とても私の事を気遣ってくれて、本当の妹みたいに思えたわ。
菫さんだけじゃないのよ。あなたのお父さん、琥珀さんもとてもかっこよくて、強くて優しい人だった。…リクオが生まれたときは二人とも涙を流して喜んでくれたし、紫苑ちゃんが生まれたときは、私たちも涙を流して喜んだわ。
たった一日違いの従妹だけど、私達四人に取ったらリクオも紫苑ちゃんも自分達の子供のようなものよ。あの人ったら琥珀さんと、リクオと紫苑ちゃん、どっちが可愛いかなんてはりあったりして、まるで、子供が余分にいたみたいだった。
……琥珀さん達が亡くなった後、私達のもとに一通の手紙が届いたの。中には、紫苑ちゃんのことをよろしく頼みます。って。そして、あの人は言ったわ。紫苑ちゃんを自分の娘のように育てようって。……だから、貴方は私の娘よ。紫苑ちゃん。」
「…………」