第3章 神の率いる百鬼夜行
三羽鴉の黒羽丸が今まで気にかかってたかのように紫苑に問いかけた。
「姫。あそこにいる我ら三羽鴉のような輩は、誰でございますか?」
紫苑が指さされた方を見ると、三羽鴉とよく似た妖怪が腕を組んで控えていた。
「三羽の虹鷲。そうね、良く見るとあなた達とそっくりだわ。」
「陸月」
「如月」
「弥生」
それぞれが自分の名前だけを言うと、それ以上何もいわなくなった。
紫苑はちょっと困ったように肩をすくめると補足説明をした。
「名前からわかるように、鷲の妖怪。ちょっとプライドが高いのよね…」
「ご心配なく姫。我ら三羽鴉はいかなるときも護命令とあらば、和議を結び手を取り合いましょうぞ。」
「我ら三羽の虹鷲にとって姫様の命令は絶対的存在。奴良組本家に戻った今、我らが率先すべきなのは奴良組とのきずなを深めること。必ずやその一歩目を築きましょう。」
苦笑いをするリクオに氷麗が
「似た者同士ですね。」
「…どちらも忠誠心に熱いんだね。」
「暑苦しい。」