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不眠症。

第1章 音駒高校の猫。







いつも通りの体育館、いつも通りの人数。



いつも通りのタオルと、いつも通りのドリンク。



ドリンクを用意しに行った私は重いカゴを持ちながら体育館に入る。
と、部員と監督とコーチが集合している様だった。
なに話してるのか知らないけど取り合えずタオル用意しなくちゃ……


「冬華、来いよ」


『え、なんで』


「なんでって…お前にも関係あるから」


『なに』


小走りで皆の方へ向かうと、ホワイトボードには合同合宿の文字が。
あー、なんとなく察した。
梟谷グループで合宿か、去年は風邪ひいて出なかったっけ。


「合同合宿すんだよ、んで今度はマネージャー連れてきたいの」


『うん』


「あと烏野も入ることになった」


『烏野?』


「翔陽がいるところ」


『あぁ、ありがとう研磨』


翔陽、日向翔陽。
私は彼に会った事がある。
研磨と迷子になっていたら偶然翔陽が現れたのだ。
でもそんなに話してないけど、あっちのコミュ力が半端なかった。


『今度は平気』


「って、去年も言ってたよな〜」


『やっくん……』


練習試合を烏野とした事がある。
その時に仲良くなった同じくマネージャーの潔子。
綺麗で美人、最初は話しかけづらかったんだけど最後にはLINE交換するほど仲良くなった。
クロ曰く、珍しいらしい。


『参加するし、意地でも。』


「じゃあお前ら寝坊すんなよな」


『「クロ起こしに来て」』


「おい!!!」


見事に研磨とハモった。
毎年そう、行事があると必ず朝早いからいっつも何の用もないのにクロが起こしに来る。
お母さんはクロに任せてる。


「夏休みだってさ」


『あっついね』


「ね、溶ける」


研磨、合宿の話終わったんだから練習始まるよ。
そうだ、私はタオルを出しに行かなくちゃなんだ。



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