第2章 待ちに待ってない合宿。
『お疲れ』
音駒部員に素早くタオルとドリンクを手渡す。
記録表はまだ途中だったけど、休憩になればドリンクとタオルの方が大事だから。
「さーんきゅ」
喉が渇いているのかほとんどの人がほぼがぶ飲み。そんなに一気に飲んだらお腹壊すんじゃないかと少し心配になったりする。
なったら胃薬持ってきてあげるね。
だいたい飲み干してあるんだろうな…
三年間やっててもドリンクの持ち運びの辛さは変わんない、そのわり作り方は慣れたけど。
『ちゃんとフタして中身出る、タオルは私に渡して』
毎回言ってるのにこれだけは直らない。
ボトルのフタは半開きだしタオルはそこらにほっぽり出しておくし、ジャージも脱ぎっぱなしだったり。
いつも片付けるのは誰だと思ってるんだか。
「怖い怖い、すみませんよーっと」
「冬華、これ二年のタオルな」
「いつもの味でした!!」
やっくんが気使ってくれてる。
二年のタオルをわざわざ持ってきてくれるなんて紳士か、もうやっくんがマネやればいいよ。
それとリエーフはそれ褒めてるのかよく分からないんだけど。いつもの味でしたってことはこの前とかは違う味だったのかな。
『やっくんありがとう』
「暑いからちゃんと帽子かぶって水分補給しろよな」
『うん、ありがとう』
暑い外でドリンクを作るんだから帽子は必要か。
本当にやっくんは音駒のお母さんだな、今度どさくさに紛れてお母さんって呼んでみよう。