第6章 雄英体育祭
「…おわ…た…」
心操くんの力のない呟きが私の耳に入り、私は力が抜けたように地面に手をついた。もう…力が入らない。こんなの…先生にしごかれた以来だ。
「…………犬猫山!!………っ!!!」
体勢を崩した心操くんが地面に足をつけ、私に駆け寄る。
「……すまん…せっかく俺にポイントを任せてくれたのに…俺のせいで予選落ちに………」
「予選落ち? 心操くん、何言ってるの?」
私は笑いながら、彼にハチマキを見せた。
「…これは…」
私が心操くんの問いかけに答えようと口を開きかけると、
「クッソ!! てめぇの仕業かよ!このクソアマ!!!!」
切島くんに抑えられているブチ切れの爆豪がいた。彼の頭にはハチマキはなく、私の足元には鳥が数匹ちょこんっと立っている。
「……私と手を組んで…よかった…でしょ?」
ふふっと笑いながら、彼の手を借りて立ち上がる。目の前には、大きく笑う心操の顔があった。
「はっ!! あんた、最高だよ」
彼と軽く拳を合わせ、私たちは笑い合った。…これで…やっと本試験にいける。