第6章 雄英体育祭
「犬猫山!?」
私は自分たちの足元を揺らし、思いっきり空へと突き上げた。突き上げる途中で地面と自分たちの体を切り離し、私達は宙へと浮かぶ。
「心操くん! ちゃんと個性保っててね!! 尾白くんを怪我させたりなんかしたら承知しないんだから!!」
「この体勢で何するつもりだ!!」
「何って…着地するに決まってるでしょ!」
私は力いっぱいに地面を上に上げ、私達はそこに着地した。地面を元に戻す途中、視界がぐらりと揺れる。…キャパオーバーになりかかっていると私は悟った。
「…おい、大丈夫か?」
私は頷き、姿勢を整えようとした…その時だった。
「だから、余所見すんなつってんだろ!!!」
一瞬だった。あの電気を逃れた爆豪が心操くんがつけていた私のポイントのハチマキを手にしたのだ。
「なっ!?」
心操の慌てる顔が多少ボヤけるのが分かったが、私は最後の足掻きを見せた。しかし、その時…
TIME UP!
終了の合図か聞こえた。