第6章 雄英体育祭
「……俺に何か用か…」
私の目的の相手は、そうすっとぼけたようにそう言った。私はふふっと笑った。彼の周りには、目の焦点があってない尾白くんとB組の人がいる。私の視線に気づき、心操くんは笑った。
「……俺を止めに来たのか?同じクラスメートを放っておけるわけないもんな」
そう言いながら、濃い隈をした目で彼…心操くんは私を睨む。彼の決意は硬いようで、他の人を蹴落としても、彼はこの体育祭に勝つつもりだ。そんな彼に私は笑みを浮かべた。
「心操くんも私の力が欲しいんじゃないかなって思って」
そして、私は彼に手を差し出した。彼は少し驚いたように私を見る。
「心操くんは、試験中も周りの個性を観察して、私はそれが出来ていない。でも、心操くんより私の方が持ち点がある。 」
「…………俺に手を組めと?」
私は彼の問いかけに微笑んだ。
「心操くんは私の個性が欲しい。私は心操くんの力が欲しい。お互いにwin winな関係だと思うけど、どう?」
「………………悪くない」
心操くんが私の手をしっかりと握る。さぁ、第三種目が始まる。