第6章 雄英体育祭
それは心操くんも同じだったようで、目を見開いて私を見た。してやったり。私は少し猫をかぶって、口元を抑え、斜め下を向いた。
「だって、西園寺くん…自分より強い女は嫌いって言ってたから…。私…西園寺くんと釣り合わないよね……」
「そ、そんなこと……お、俺は……」
「今までこんな私と付き合ってくれてありがとう。さようなら」
そして、その場を離れた私は呆れた顔をしている百ちゃんに抱きついた。
「犬猫山さん! あなた、体育祭の場で似つかわしくない行動は慎むべきですわよ」
「もう…しばらく彼氏はいらないもん! そんな厳しいこと言わないでぇ!」
なんだかんだ言いながら、飯田のように真面目の一点張りというわけじゃない百ちゃん。ため息をつきながらも、背中をさすってくれる。
「てふてふちゃんなら、もっといい人がいるわよ。元気だしてちょうだい」
「そうだよ!! 犬猫山ちゃん!!」
梅雨ちゃんもお茶子ちゃんもわざわざ来てくれて慰めてくれる。なんていい人たち。ヒーロー志望じゃなかったら、是非お友達にりたかった。
「ううっ…ありがとう! 私、もっとか弱い女になって、庇護心を煽れるようなヒーローになる!!!」
「庇護心を煽るヒーローって、めちゃめちゃ頼りがいがなさそうだな」
切島くんが正確なツッコミを入れた後、ようやく次の第三種目が発表された。