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私の敵はヒーロー

第6章 雄英体育祭


一次予選の結果は、なんと4位。私は前3人に少し遅れてのゴールだった。

「うえええ……目に砂が入ったぁ!!」

目を擦りながらゴールすると、会場から声援が送られた。

「男3人によく頑張った!!」
「今日のMVPは君だ!!」
「次も頑張れ!!」
「目はきちんと洗った方がいいぞぉ!」

などなど。私は笑ってお辞儀を返したが、内心もういい感じでアピれたので、もう途中棄権したいというのが本音。

「またっ…クソ…クソがっ…!!!」

わたしの前でクソクソ言っている爆豪は3位。無表情だが、拳を握りしめている轟は2位。そして……

「凄っごいね、緑谷くん!! やっぱり最後に来ると思ってたよ!!」

少し涙目の緑谷がなんとトップという成績。私は彼の肩にパンチを入れた。

「いたた……い、いやいや! 犬猫山さんの方が凄いよ! だって、第二関門までずっと君が先頭を走り続けてたんだから!! あ!ねぇ、第一関門のあれなにしたの? 僕的には、ロボを乗っ取ったように見えたけど合ってる? あれも君の個性なの? 動物だけじゃなくてロボットも操れるの?ってことは、無機物も操れるわけで…え? でも無機物と動物を操る原理は一緒なのか? だけど………」

ブツブツと自分の世界に浸る緑谷に、私は苦笑いをした。やはり彼の案外負けず嫌いな性格から考えて、大胆な行動をしてくると思っていた。しかし、個性を使わずに一位になるとは…。彼の個性が見れると思って、先頭を独占していたのに残念だ。汗を拭い、ブツブツ言っている緑谷におめでとうと言い、次の種目説明があるようなのでグラウンドの中央部へと歩き出す。そして、見覚えのある紫の髪がこちらに近づいてくるのが見えた。
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